酒は百薬の長とも言われますが、上手に飲めば健康を害することはありません。飲んだアルコールは、肝臓でADHという酵素によりアセトアルデヒドは分解されると酢酸になり、その後、水と二酸化炭素に変化します。アルコールによる悪酔いはアセトアルデヒドの仕業です。
アルコールによるほろ酔いは、理性を司る大脳皮質が軽く麻痺し、本能や情動を司る大脳辺縁系がその抑制から解放されるためですが、さらに量が多くなり泥酔状態となりますと、平衡感覚を司る小脳が麻痺して千鳥足となります。一気飲みなどしますと急性アルコール中毒を起こし、脳幹が麻痺し昏睡となり、死亡することもあります。アルコール分解酵素が十分ある人は悪酔いをしないため、いくらでも飲めますが、このことのためにアルコール依存症(慢性アルコール中毒)になりやすいのです。日本人と違って、白人には分解酵素のない人はほとんどいません。分解酵素が十分でない人は悪酔いしやすく、アセトアルデヒドに慢性的に曝されますと、肝障害や食道ガンになる危険性が高まります。
酒はストレスの解消、善玉コレステロールを増やすという良い面もありますが、大量に摂取した場合、心筋梗塞、高血圧、脳卒中、冠動脈硬化の危険因子とされています。大量の飲酒は脱水を誘発し、血液を濃くして固まりやすくします。
純アルコールの量は一日30g以下が良いとされています。肝臓のアルコール分解能力は一時間に10mlが限界とされていますので、日本酒なら一合を三時間かけて飲むのが肝臓に負担をかけずに飲む速度ということになります。日本酒一合(180ml)はビール大瓶1本、ウイスキーのダブル一杯(60ml)、ワインならグラス一杯半(240ml)、焼酎一合(110ml)に相当し、このくらいの量が適度の目安となります。
○
脳梗塞との因果関係
少量から適量のアルコールで低下(PGIの増加、HDLの増加、フィブリノーゲンの低下、血小板凝集能の抑制)し、大量では発症率が増大するJカーブ現象が見られると報告されています。
○脳出血との因果関係
アルコールと直線的に比例して発症率が増加するとされます。
DATAのお話
(一日3合(エタノール70g)以上の飲酒をした場合)
非出血性脳卒中1.7倍
出血性脳卒中3.4倍
全脳卒中1.9倍
にリスクが増加します。
○もし大量の飲酒をすると
不整脈の誘発、心筋障害、睡眠時無呼吸の増悪などにより、脳塞栓症を誘発することが報告されています。
また血小板機能が活性化、線溶系機能は低下します。飲酒時の血圧、脈拍の上昇、アルコールの濃度の低下とともに、血圧が下がり、大きな血圧変動が見られます。この変動が大きな危険因子と考えられています。
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